岩手の建設業111社のサイトを診断しています。
正直に書くと、調査を始める前の私の予想はこうでした。「建設業は昔ながらの業界だから、サイトはあっても会社概要だけだろう。採用は今もハローワークと紹介が中心のはずだ」。
結果は違いました。
111社中87社に採用ページがあった
| 項目 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 採用・求人ページへの導線あり | 87社 | 78.4% |
| 導線なし(診断できた105社中) | 18社 | 17.1% |
8割近い会社が、サイト内に採用の入口を持っていました。
判定は機械的です。「採用」「求人」「recruit」「careers」といったリンクがサイト内に存在するかどうかを見ています。中身の充実度は見ていません。
それでも、この数字は予想を大きく超えました。
つまり、危機感はとっくにある
建設業の人手不足は、統計を見るまでもなく現場で言われ続けている話です。
その状況に対して、各社が手を打っていないわけではありませんでした。サイトに採用ページを作り、募集要項を載せ、応募の入口を用意している。8割の会社が、そこまではやっています。
「うちの業界はネットなんて関係ない」と本気で思っている会社が大半なら、この数字にはなりません。
やっていないのではなく、やった上で止まっている。 これが実態でした。
この前提を間違えると、提案が全部ずれる
私はホームページ制作を仕事にしています。だからこの発見は、自分にとって耳の痛い話でもありました。
「地方の建設業はITに遅れている。だからホームページを作りましょう」という提案は、8割の会社にとって的外れです。もう持っているからです。
必要なのは新しく作ることではなく、すでにあるものが機能しているかを見ることでした。
会社側から見ても同じです。「うちも採用ページを作らないと」と焦る段階ではなく、「作ってあるページが今どう見えているか」を確認する段階に来ています。
問題は、その先にあった
では8割が採用ページを持っているなら、採用はうまくいっているのか。
そうはなっていません。人手不足の話は今も続いています。
採用ページを持つ87社を、さらに分解しました。その結果、3社に1社が「入口が壊れている」状態でした。
この内訳は次回に書きます。ここでは1つだけ先に出しておきます。
採用ページを持つ87社のうち、14社はスマホ非対応でした。
求人に応募する側は、ほぼ全員スマホで見ます。現場仕事を探している人ならなおさらです。パソコンを開いて会社概要を読む人は、もういません。
採用ページを作った。でもスマホで開くと文字が読めない。この状態は、ページが無いのとほとんど変わりません。
「作った」と「機能している」は別
採用に限らず、これは全部に当てはまります。
- ホームページを作った ≠ 見られている
- 採用ページを作った ≠ 応募が来ている
- 問い合わせフォームを置いた ≠ 問い合わせが来ている
前者は自分で確認できます。後者は確認しないと分かりません。
そして多くの会社は、前者で止まったまま何年も過ぎています。作った時点で「対応済み」のチェックが入り、そこから見直されることがない。
8割が採用ページを持っているという数字は、裏返せば8割の会社に、確認すべきものが既にあるということでもあります。
今日できる確認
3つだけです。
- スマホで自社の採用ページを開く
- 募集要項の内容が現在のものか確認する
- 応募の方法が電話番号だけになっていないか確認する
制作会社に問い合わせなくても、5分でできます。
このうち2つ以上に引っかかったら、次回以降の記事が役に立つと思います。
この調査について
岩手県の建設業許可業者名簿(令和8年6月30日時点)の全3,994社から法人2,045社を抽出し、ホームページを特定できた111社を機械的に診断しました。111社は法人全体の一部であり、岩手の建設業全体を代表する数字ではありません。